Situations that prompt teachers in problem-based curricula to reflect on their beliefs, identity and mission
Lukas Daniel LeatemiaORCID Icon,Boukje CompenORCID Icon,Diana H. J. M. DolmansORCID Icon,Jeroen J. G. van MerrienboerORCID Icon &Astrid Pratidina SusiloORCID Icon
Received 26 Sep 2023, Accepted 06 Feb 2024, Published online: 23 Feb 2024
Cite this article https://doi.org/10.1080/0142159X.2024.2316853
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/0142159X.2024.2316853?af=R
学生の学習意欲を高める方法について、教師はさまざまな認識を持っている。教師中心の視点に立つ者もいれば、学生中心のアプローチに傾く者もいる。高等教育における多くの研究は、教師の視点がどのように教育実践に影響を与えるかを説明するために、Korthagenのタマネギモデル(2014)を用いている。相互に関連する6つの層にまたがるこのモデルは、外側(環境、行動、能力)と内側(信念、アイデンティティ、使命)の両方の側面を含んでいる。
・教師の視点の概念に関連する内層(信念、アイデンティティ、使命など)と外層(環境、行動、コンピテンシーなど)を持つオニオンモデル
これまでの研究では、基本的に教師の外面的な側面に焦点を当て、特定の状況が教師の内面的な側面にどのような影響を与えるか、ひいては教師が学生中心の学習をどのように認識するかについては、ほとんど関心が払われてこなかった。この記述的質的研究では、教師が学生中心の信念、アイデンティティ、使命を受け入れることを促す、あるいは妨げる状況を探った。
インドネシアの2つの医学部の教員18名を対象に3回のフォーカス・グループ・ディスカッションを行い、得られたデータを主題分析した。
結果
ある状況が教師の内面的な側面を振り返らせ、それが学生中心の学習アプローチを受け入れることに好意的あるいは否定的な影響を与えることがわかった。
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教師が教育者としてのアイデンティティについて考えるきっかけ:
- 教師中心の視点を持つ教師は、専門外の話題を議論することに不快感を感じることが多く、自分を科目の専門家としてよりは、学習を促進するファシリテーターとしては考えていませんでした。しかし、自身の過去の教育や学習経験、チューターとしての仕事から、PBLディスカッションで学生の学習を促進し、学習に苦労している学生を助けることに関心を持ち始めました。
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教師が自分の使命について考えるきっかけ:
- 教師は、学生中心の方法で教え、教師としての成長を遂げることに困難を感じた時、自分が何に触発され、自分の仕事に意味と重要性を与えるのかを反映しました。臨床義務や他の優先事項による時間制約が、教師が学生の学習を最適に促進することを妨げる状況であり、これが教師の動機を低下させました。それにより、教師は自分の役割を学生学習のファシリテーターとしての追加の負担と感じ、教育を改善する動機付けがなくなりました。
外的側面には、教師の環境、行動、能力が含まれます。これには、教師の経験した問題ベースの教育と学習の経験、自身のトレーニングから得られる学習状況、臨床業務などが含まれ、これらの外的側面は教師の教育観に大きな影響を与えています。
一方、内的側面には、教師の信念、アイデンティティ(自己認識)、使命(教育における目的や理想)が含まれます。信念は、教育と学習に関する教師の考えを指し、例えばアクティブラーニングや専門的実践への重視がこれに該当します。アイデンティティは、教師が自分自身をどのように認識しているか、例えば教育学的・ペダゴジカルな専門家としての自己認識を指します。使命は、教育における教師の目的、理想、インスピレーションを反映しており、自身の短所を認め、フィードバックを受け入れることで教育を改善し、理想を実現しようとする姿勢がこれに該当します。
これらの外的側面と内的側面は密接に関連しており、一方がもう一方に影響を与えることが示されています。具体的な状況が教師の内的側面にどのように影響を与えるかを理解することは、教員開発プログラムの設計において重要であり、教師の教育的ニーズに対応するためには、これらの側面を完全に調和させる必要があります。
特定の状況が教員の内面的側面にどのような影響を与えるかを理解することは、教育機関が教員の特定の教育ニーズに対応したFDプログラムを設計するのに役立つかもしれない。
ポイント
PBLの知識と経験を持つ教師が、学生中心の視点をもたらす内面的な側面を自動的に採用するわけではない。
教師は、日々の仕事の中で遭遇する具体的な状況を振り返ることで、自らの信念、アイデンティティ、使命を形成していく。
教師の外面的な側面は内面的な側面に影響を与え、その逆もまた然りである。
教師の仕事の文脈における特定の状況が、どのように教師の内面的側面に影響を与えるかを理解することは、教育機関が教師の特定の教育ニーズに対応するFDプログラムを設計するのに役立つかもしれない。