医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

医療実習における指導者の教育戦略

Pedagogic strategies of supervisors in healthcare placements
Lieke CeelenORCID Icon,Anne KhaledORCID Icon,Loek NieuwenhuisORCID Icon &Elly de BruijnORCID Icon
Published online: 22 Sep 2023
Cite this article https://doi.org/10.1080/0142159X.2023.2256960

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/0142159X.2023.2256960?af=R

 

目的
指導医は、医療実習で学生を教育する責任がある。職場学習と監督に関する一般的な知識はあるが、特定の医療実習における監督者の教育戦略についてはほとんど知られていない。本研究では、理学療法と看護の職場環境において、指導者の推論と相互に関連する行動がどのように現れるかを明らかにする。

方法
刺激的想起法に従い、7つの職場において指導者と16回の面接を行った。職場監督の理論的枠組みを用いて、演繹的テンプレート分析を行った。

結果
教育的戦略の4つの構成から、医療現場における監督のあり方が明らかになった。その結果、具体的な監督場面に関するユニークな洞察が得られ、指導者の戦略の状況性が明らかになった。

指導者の教育的戦略は、主に(A)役割モデル、(B)全体的支援、(C)信頼、(D)放任に基づいていることがわかった。

Figure 2. Results summarised.

結論と考察

本研究では、理学療法と看護の実習に焦点を当て、実際の職場環境において指導者が職場監督をどのように認識し、実施しているかを調査した。
研究により、学生を指導するための教育的戦略の構成が明らかになり、他の指導者や職場環境の参考となることができた。
学生は最終学年であるにもかかわらず、指導者の教育戦略の焦点には大きな違いがあった。これらのバリエーションは4つの構成に内省され、それぞれデモンストレーション、刺激的な参加、委託の割合や解釈が異なっていた。
監督は、様々な職場環境において、仕事活動の性質や実践共同体の伝統に影響されながら、異なる形で形成されている。
指導者は、患者や学生の利益、自分自身の利益、そして学校や組織の利益のバランスを常に考えなければならない。
指導者と学生の信頼関係は、監督関係において重要な役割を果たす。しかし、この信頼関係は、学生の成績を過大評価するなどの潜在的なリスクにもつながる。

この研究の限界は、主に指導者の視点に焦点を当てているため、学生の学習プロセスに関する洞察が限られていることである。

今後の研究では、指導者の教育方略と学生の学習経験の関係を探る必要がある。

本研究は、デモンストレーション、刺激的参加、委託に焦点を当てた職場監督の新しい枠組みを提供している。これは指導者や教育者が監督の実践を振り返り、改善するのに役立つだろう。