医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

エスワティニにおけるCPDモデルの開発-参加型アクション・リサーチ研究

Developing a CPD model for Eswatini—a participatory action research study
Rodney Hudson Magwenya & Andrew Ross 
BMC Medical Education volume 23, Article number: 45 (2023)

bmcmededuc.biomedcentral.com

 

背景
専門職の継続的開発(Continuing Professional Development:CPD)は、医科歯科審議会に登録された専門家が生涯学習へのコミットメントを果たすための重要な側面であり、患者の健康増進と臨床専門性の開発を意図している。エスワティニでは、医師に対する正式なCPD要件がないため、認定制度の導入に向けた動きが出てきている。

研究方法
質的研究は、エスワティニの10人の医療従事者からなる協力的な調査グループを用いた参加型アクションリサーチ(Paricipatory Action Research: PAR)の方法論に従って、現在のCPDプログラムをどのように改善し、公式化できるかを調査した。PARは、観察、考察、計画、行動の4段階を含み、半構造化形式を用いて、懸念される領域を調査した。

成果
現状を振り返った結果、CPDを改善するための3つの方法が明らかになりました。(1)正式な強制的CPDモデルを採用する、(2)受託可能な専門活動を通じてスキルや知識の向上に努める実践者の成果を認める、(3)品質向上CPD(QI-PD)や内省的ダイアリーを用いてCPDが職場と関連していることを確認する、である。これらは、地域の実務家を巻き込み、成人学習の原則を用い、CPDモデルの継続的な評価と改善を保証することによって行われるであろう。

結論

エスワティニで利用できるCPDのオプションは数多くある。重要なのは、現地の実務家の参加、成人学習の原則の活用、そして評価と変革を可能にする手法の使用である。EMDC-CPD委員会が設置され、実務家と積極的に関わることを文書で約束するなど、政策立案段階での提言のいくつかが実施されつつあることは心強いことである。さらに、調査結果の普及も進行中である。EPA、内省的ダイアリー、QI-CPDは、CPDモデルとして適切な条件のほとんどを満たしているため、CPDモデルが取り得るいくつかの形態である。この研究は少人数で行われ、CPDのいくつかの分野に焦点を当てたものであり、提案されたものに他の多くの側面を加えることができる。したがって、より詳細な評価と実務家への受容性については、さらなる研究が必要である。また、現在国内で行われているCPD活動の評価についても、さらなる研究が必要である。