Post-simulation debriefing as a stepping stone to self-reflection and increased awareness — a qualitative study
Sissel Eikeland Husebø, Inger Åse Reierson, Anette Hansen & Hilde Solli
Advances in Simulation volume 9, Article number: 33 (2024)
advancesinsimulation.biomedcentral.com
背景
シミュレーションのカリキュラム開発には、学生の声を反映させるべきである。 デブリーフィング戦略の開発に学生を参加させることで、学習に対する理解が深まる可能性がある。 しかし、デブリーフィング戦略に関する学生の視点を調査した研究はほとんどない。 本研究の目的は、シミュレーション後のデブリーフィングに関する看護学生の視点を探ることである。
方法
質的アプローチによる探索的記述的デザインを用いた。 2017年12月と2018年5月に、ノルウェーの看護学部生を対象に、看護学士号取得2年目の2日間の高忠実度シミュレーションコース直後のフォーカスグループインタビューを通じてデータを収集した。 データは系統的なテキスト凝縮を用いて分析した。
結果
1. 振り返りの触媒としてのファシリテーター
- 安全と挑戦のバランス: 学生たちは、ファシリテーターが質問や説明を通じて学習プロセスを強化し、安全感と自信を持たせることができると感じました。特に、ファシリテーターが学生の考えを深掘りし、考えを言葉にさせることが学びを深めるために重要であると評価されました。
- 建設的なフィードバックの提供: フィードバックはポジティブな側面から始まり、その後に改善点が指摘されることで、学生がストレスを感じたり、恥ずかしい思いをすることなく受け入れやすいと感じられました。また、学生は、仲間からのフィードバックを受け取る際に、自分たちの判断が正しいかどうかを確認するためにファシリテーターのフィードバックが必要であると感じました。
- 一貫性と代替手段の発見: 学生たちは、ファシリテーターが異なる視点や代替的な行動の選択肢を提示することで、学びを深め、複数の解決策を発見する手助けとなったと述べています。
- 対話のための構造提供: ファシリテーターがデブリーフィングの進行を管理し、議論や反省のための適切な時間を確保することが、学生の学びにとって重要であると感じられました。しかし、一部の学生は、ファシリテーターが話しすぎる、または時間を引き延ばしすぎると感じ、より短く構造化されたデブリーフィングを望んでいました。
2. 意識向上へのプロセス
- フィードバックの提供と受け入れの進展: 学生たちは、デブリーフィングの経験を通じて、仲間からのフィードバックを受け取り、適切なフィードバックを提供するスキルが向上したと感じました。特に、フィードバックを提供する際に、ユーモアや共感を用いることで、仲間の感情に配慮しながらも誤りを指摘することができるようになったと述べています。
- 行動準備の進展: デブリーフィングにおける省察は、学生が臨床実践における行動の優先順位を理解し、適切な行動を取るための準備を整えるのに役立ちました。これにより、学生は将来の同様の状況に対する自信を高めました。
- 自己発見を通じた進展: 学生たちは、デブリーフィングでの振り返りを通じて、自分自身の行動や選択の背後にある理由をより深く理解し、自己認識が向上したと述べています。また、ビデオ録画を見返すことで、自分のパフォーマンスや態度に対する認識が変わり、自己評価がより客観的になったと感じました。
考察
この研究の結果は、シミュレーション後のデブリーフィングが看護学生の学習において重要な役割を果たしていることを示しています。特に、ファシリテーターの役割が多面的であり、学生の反省と学びを効果的に導くために重要であることが確認されました。
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安全な学習環境の構築: ファシリテーターが学生に対してポジティブなフィードバックを提供し、挑戦しつつも安全な環境を提供することが、学生の学びを促進するために重要であるとされています。これにより、学生は安心してミスをし、そのミスから学ぶことができるようになります。
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フィードバックの重要性: 建設的なフィードバックは、学生が自分自身の行動を客観的に評価し、将来の実践において改善するための重要な要素です。また、仲間同士でのフィードバックを通じて、学生は批判的思考を養い、プロフェッショナルなスキルを向上させることができると考えられます。
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自己発見と自己認識の向上: デブリーフィングにおける省察は、学生が自己を理解し、自己認識を深めるプロセスとして機能しています。これにより、学生は自分の学習過程をより深く理解し、臨床実践においてより自信を持って行動できるようになります。
結論
本研究により、看護学生たちが報告会での話し合いにおける振り返りと学習の促進についてどのような視点を持っているのかについて、ファシリテーターに知識を提供することができた。 学生の振り返りを導くファシリテーターの多面的な役割と、学生が専門職としての成長について新たな洞察を得る過程が、ディブリーフィング中の学習にとって重要であることが確認された。