Common Pitfalls to Avoid in Qualitative Submissions to JGME
Rachel Gottlieb-Smith, MD, MHPE; Dorene Balmer, PhD; Lalena M. Yarris, MD, MCR; Gail M. Sullivan, MD, MPH
J Grad Med Educ (2024) 16 (4): 383–386.
https://doi.org/10.4300/JGME-D-24-00573.1
1. 概念フレームワークの不足
概念フレームワークは、研究の問題や研究を考えるための枠組みを提供し、既存の文献との関連を示すものです。これが欠如していると、研究が脈絡のないものとして受け取られる可能性があります。
2. 研究の目的が不明確
研究の目的を明確に示さないことが、よくある問題です。研究が何を達成しようとしているのかを明示し、それが重要である理由を説明する必要があります。
3. 研究パラダイムと方法論の不一致
パラダイムは研究者の世界観や現実に対する仮定を示すものであり、方法論はその仮定に基づいて現実を理解するためのアプローチです。これらが一致していないと、研究の信頼性が損なわれる可能性があります。
4. 専門用語の過剰使用
方法論に関する専門用語を説明せずに使用することが問題となることがあります。特に「修正されたグラウンデッド・セオリー」という言葉がよく使われますが、そのバージョンや修正の内容が明確でない場合、研究の質が疑われます。
5. データ分析の曖昧さ
定性的データの分析過程が不十分に説明されていることが多く、研究者は分析がどのように行われたかを詳しく記述する必要があります。これにより、読者は研究結果がどのように導かれたかを理解しやすくなります。
6. サンプルサイズに関する「飽和」の誤用
「飽和」という言葉がよく使われますが、これがどのように達成されたかを説明しないことが問題となります。代わりに、「データの十分性」や「情報力」という言葉を使用することが推奨されます。
7. 結果が参加者の声を反映していない
研究結果が参加者の視点を十分に反映していない場合、研究の信頼性が疑われます。直接的な引用を使用して、テーマが参加者の意見に基づいていることを示すことが重要です。
8. 厳密性の欠如
定性的研究の厳密性を示すために、データ収集や分析のプロセスを透明にし、詳細に記述することが求められます。研究者の文脈や仮定が研究にどのように影響を与えたかについても反省的な記述が必要です。
9. 「一般化可能性」の誤用
定性的研究における一般化可能性という概念は不適切であり、代わりに転移可能性を示すべきです。研究結果が他の文脈で適用可能かどうかを読者が判断できるよう、研究の背景や理論的枠組みとの関連を詳述することが必要です。