医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

臨床実習の模擬評価における受験者の身体的属性が患者の評価に及ぼす影響

The influence of candidates’ physical attributes on patient ratings in simulated assessments of clinical practice
C. A. BrownORCID Icon, K. Badger, M. D. ReidORCID Icon, R. WestacottORCID Icon, M. GurnellORCID Icon, M. W. R. ReedORCID Icon,  show all
Published online: 12 Jul 2022
Download citation  https://doi.org/10.1080/0142159X.2022.2093177

 

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/0142159X.2022.2093177?af=R

 

背景

我々は以前、受験者に刺青や不自然な髪の色、地域的な訛りがあっても、臨床検査医の採点に悪影響がないことを示したことがある。我々は、受験者のこれらの身体的属性が患者の採点に影響を与えるかどうかを調査した。

方法

模擬患者と実際の患者を無作為に割り当て、脳神経検査の模擬受験者の演技を撮影した5つのビデオを視聴させた:明確な失敗、境界線、良好、属性なしの「明確な合格」、いずれかの属性(刺青、紫髪、アクセント)付きの「明確な合格」。参加者は、コミュニケーションとプロフェッショナリズムのドメインを採点した。また、属性がある場合とない場合のクリアパス候補者のスコアを比較した。

結果

183名の患者が参加した。タトゥーと紫色の髪を持つ候補者の合計得点は、身体的属性のない候補者より高かった(p < 0.001)。リバプール英語訛りのある受験者については、差は認められなかった(p=0.120)。

結論

特定の身体的属性(刺青や紫色の髪)の有無は、模擬身体診察室で患者が候補者に与える得点の高さと関連していた。

今後の課題

実世界の設定、病歴聴取などの他の臨床領域の評価、他のタイプの評価、職場ベースの評価や他の身体的属性による臨床状況での効果の分析など、これらの知見を探求するためのさらなる研究が必要である。また、患者を中心とした教育や、英国における臨床評価の全国的な実施に向けて、シミュレーションと実患者のスコアリングの両方が評価において果たす役割について、さらなる研究が必要である。

ポイント

医学的評価において、患者が受験者につける点数は、特定の身体的属性の存在に影響されることがある。