医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

人生経験は研修への準備を予測できるか?ある家庭医療研修施設の分析

Can Life Experiences Predict Readiness for Residency? A Family Medicine Residency’s Analysis
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Michael E. Busha, Brock McMillen, Jeffrey Greene, ...
First Published November 24, 2021 Research Article  
https://doi.org/10.1177/23821205211062699

https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/23821205211062699

 

背景
家庭医療研修のプログラム責任者は、ますます複雑化する人材確保の状況に対応しなければならない。米国ではアロパシーやオステオパシーの卒業生が増加しており、海外からの卒業生も引き続き大量に発生していることから、面接のオファーを受ける際の応募書類のフィルタリングとランキングの両方において、質の高い研修医を予測する応募書類の特徴を特定する能力が不可欠である。本研究では、ボランティア活動、仕事の経験、以前のキャリア、研究経験、学生リーダーシップを含む医学生組織への参加など、報告された人生経験の予測値に注目しています。

 

方法

遡及的なコホート研究により、研修医の応募書類から人生経験の記述を抽出しました。次に、研修医としての心構えを判断するために、研修開始後6カ月間の家庭医療における初期臨床パフォーマンスデータを入手した。この分析は2020年に行われ、2013年から2020年までの卒業クラスの110名の入学者のうち、97名(88%)のデータが得られました。

 

結果

6つの人生経験の有無を用いて、志願者グループ間の比較を行い、学業成績や臨床評価に違いがあるかどうかを調べました。

過去にキャリアを積んだことのある応募者は、全体的に研修への準備が整っており、「対人関係・コミュニケーションスキル」と「システムベースドプラクティス」のコンピテンシー領域が優れていた。一方、研究に参加したことがある応募者は、すべてのコンピテンシー領域で同世代の応募者よりも低い結果となった。ボランティア活動、実務経験、学業成績、学生との関わりに関する応募者の報告は、初期の臨床成績とは相関しなかった。

 

結論

研修監督者は、過去にキャリアを積んだ応募者は、コミュニケーション能力とシステムベースの実践能力に長けている可能性が高いと認識すべきである。その他の経験については、全体的に臨床への対応力に負の相関を示す可能性のある研究経験を含め、より広範な応募者評価の中で評価すべきである。