医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

臨床心理士のためのグラフィックデザイン

Comic Sans or common sense? Graphic design for clinical teachers
Aqua Asif, Oliver Burton,
First published: 16 September 2021 https://doi.org/10.1111/tct.13417

 

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/tct.13417

 


心理学の分野では、出版物や教室での授業に視覚資料を取り入れる傾向が強まっています。学者や教育者がグラフィックスを使って文字情報を補強する主な理由は,アクセス性,普及性,関与性の向上です。臨床教育の目的が患者のケアの向上であることから、学術関係者は貴重な補助手段として視覚支援を受け入れるべきです。

グラフィックによる聴衆の参加と拡大は、著者や教育者に認められていますが、要素のデザインと製造はしばしば困難を伴います。

このツールボックスは、臨床教育用のビジュアルエイドを作成する際に考慮すべき一連の重要な原則を提示することで、グラフィックデザインを解明することを目的としています。

 

 

・デザインの各原則の要約
レイアウト:キャンバス上のテキスト、画像、図形などのアイテムの配置と、これらのオブジェクトの相対的な位置関係を示す。

階層: ページ上のさまざまな要素の相対的な重要性を示すために、サイズや色などの変更可能な特性を使用すること。

色彩理論: 色彩の研究と使用。特に色彩同士の関係や、調和のとれた色彩空間を生み出すための実用的な色彩の組み合わせを見つけることができます。

タイポグラフィ :デザイン内のテキスト要素の使用と配置。これには、フォントや書体の選択、太字や下線などの修正、文字間の相対的な間隔(トラッキング)などが含まれます。

シンプルさ: 混乱を避けるために、必要なメッセージを伝えるのに必要な最小限のデザイン要素を使用すること。

バランス: キャンバス上に要素が均等に配置されており、要素が薄くなりすぎたり、小さな領域に凝縮されたりしないようにすること。

統一感: シンプルな幾何学的形状や配色を用いて、要素間の関係性を強化し、それらを結びつけること。

左右対称:キャンバスの軸に沿ってデザイン要素のバランスをとること。例えば、スライドの左半分と右半分の素材の量がほぼ同じになるようにします。

アクセシビリティディスレクシアADHDなどの学習障害を持つ視聴者がコンテンツを利用しやすいように、意図的にデザインを選択すること。

コントラスト :コントラストとは、色、形の大きさ、線の太さなど、デザインの中に意図的に変化を持たせることで、読者の目を助けることを目的としています。

一貫性: 同じデザイン原則を繰り返し使用することで、読者が特定の要素や全体的な文脈の中での要素の意味をどこで探せばよいかを本能的に理解できるようにすること。

ブランディング: 見る人がデザインの原理や要素を無意識に連想することを目的として、クリエイターや組織、企業が適用する一貫性。

ホワイト/ネガティブスペース: デザイン要素の周囲やキャンバス全体に意図的に残されたスペースで、デザイン要素に独自の空間を提供します。

クロージング :意図的にデザインの一部を未完成のままにして、見る人が自分でイメージを完成させなければならないようにすること。

アスペクト比 :キャンバスの幅と高さの比。使用するプラットフォームやディスプレイのアスペクト比を考慮してデザインを作成する必要があります。

画像解像度 :画像解像度とは、画像の細かさのことで、具体的には画像に含まれる個々のピクセル(色の点)の数のことです。通常、画像の幅と高さで表されます(例:1,920×1,080)。低解像度の画像は、デザインの小さな要素には適していますが、大きくするとすぐにぼやけてしまいます。デザインの中心となる画像は、高解像度のものを使用してください。

プラットフォーム: デザインが完成したときに、最終的に表示される環境です。ソーシャルメディアへの投稿、講義室でのスライドショー、学術誌論文の図などがこれにあたります。

合法性 :デザインが法的要件やガイドラインを完全に満たしていること。例えば、著作権で保護された画像の使用を控えることや、ジャーナル記事から抽出した図を完全に参照することなどが挙げられます。