医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

省察的実践の利点、プロセス、落とし穴

Perks, Processes, and Pitfalls of Reflective Practice
Sarraf-Yazdi, Shiva MD, MEHPAuthor Information
Academic Medicine: May 2021 - Volume 96 - Issue 5 - p 769
doi: 10.1097/ACM.0000000000003864

journals.lww.com

 

利点:医療専門職教育の連続性に沿ったいくつかの機能を促進する

生涯学習・治療的関係の構築 ・プロフェッショナルな仕事

 

プロセス

批判的省察は、常に要求されるものではありませんが、個人が方向性のないジレンマ、葛藤、課題に対応して、以下のように取り組む度合いによって、非省察省察と区別されます。

省察のレベル

省察
内観 
省察 
批判的省察 

 

省察の要素

(自分自身と社会の)前提を探る。
多様な視点を考慮する
(自分と他人の)感情を認識する。
感情の洞察を深める。
状況を分析する。
問題の意味を理解する。

 

批判的思考

意思決定や行動の指針となる仮定を明らかにすることに 
これらの仮定の正確さを様々な方法で探る必要があります。
到達した仮定に基づいて、必要なことを行う。

 

感情

職業上の人間関係や臨床での出会いの中核に位置する 人間関係や臨床の場では 私たちの信念、価値観、そして感情を呼び起こす
放置すると意思決定や行動に悪影響を及ぼす可能性がある 
認知と密接に関連しており 共に省察的実践の鍵となる 

 

省察的実践

省察と批判的省察の両方を含む 
批判的省察の思考プロセスを実行することを超えて 行動すること。実践していること。
ニュアンスの異なる社会的プロセスであること
指針となる言説を育み 落とし穴を軽減するための支援コミュニティが必要である4

 

落とし穴

文脈や文化によっては、批判的省察のプロセスが戸惑いや痛みを伴うことがある。

例:詐欺師症候群や自責の念から、沈黙を選んでしまう。

  前提条件を疑うことを躊躇する。

  失われた無邪気さ(間違っていると思われないように黙ってしまうこと)

  文化的自殺(確立された文化的規範と対立することで排斥のリスクを負う)

  分析麻痺(批判的思考はしばしば単一のまたは最終的な結果を生成しない)。