Long‐term Outcomes of team‐based learning
Arielle L. Langer Adam F. Binder Eileen Scigliano
First published: 04 February 2021 https://doi.org/10.1111/tct.13332
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/tct.13332?af=R
チームベース学習(TBL:Team‐based learning)はコース終了後の試験成績の向上と関連しているが、長期的な保持への影響は不明である。本研究では、従来のケースベースの小グループディスカッション(TSG:traditional case‐based small group discussion)、TBL、小グループ強化なしの3つの教授法が、血液内科コース終了後の短期的な理解と長期的保持に与える影響を比較した。
TBL
1チームあたりの学生数 5-6名
1グループあたりのチーム数 6名
1グループあたりの学生数 30-36名
各回に必要な教員数 4名
多肢選択式の個人およびグループの準備状況評価テストの後、応用活動を行います。
TSG
1グループあたりの学生数 11-13名
各回に必要な教員数 11~12名
2つのケースについて、教員が中心となって、ガイドとなるような質問をしながらグループディスカッションを行います。
方法
知識評価は、コース終了前、コース終了直後、コース終了後 14 ヶ月後に実施した。TSGでカバーされていたいくつかのトピックはTBLに切り替えられ、直接比較することができた。
結果
対象となる学生の 24%(n = 70)を募集した。このうち、48名が最終評価を完了した(69%の保持率)。コース前、参加者は31%を正しく得点していたが、コース後には有意差をもって78%に増加した。TBLは87%、TSGは78%、小グループなしは76%であった(いずれの比較においてもp<0.01)。長期追跡調査では、指導方法の効果はもはや有意ではなかった。TBL 75%、TSG 67%(p = 0.14)、小集団なし70%(p = 0.36)。TSGからTBLに変換したトピックに限定した場合、長期的な効果は示されなかった。TSG 59%;TBL 54%(p = 0.47)。
所見と考察
TBLを使用することで理解度が向上することを確認したが、長期的な定着率の向上にはつながらなかった。短期的なテストの成績向上は、学生の幸福度やレジデンシー申請のための競争力を向上させる価値がある。TBLは、臨床医学がどのように実践されているかの核となるチームの意思決定や自己指導型学習をモデル化することで、長期的な利益をもたらす可能性がある。しかし、本研究で得られた知見は、長期的に優れた保持に基づいてTBLを採用することを正当化するものではないことを示している。
医学部血液内科コースにおける教授法が長期的な知識保持に与える影響を評価した。その結果、TBLは即時試験の成績を向上させるためには優れた方法であるが、長期的な知識保持には変化がないことが示された。今後のTBLの研究では、コミュニケーション能力の向上やコミュニティ意識の醸成など、他の潜在的な長期的効果に焦点を当てるべきである。