Associations between demographic factors and the academic trajectories of medical students in Japan
Nobutoshi Nawa, Mitsuyuki Numasawa, Mina Nakagawa, Masayo Sunaga, Takeo Fujiwara, Yujiro Tanaka, Atsuhiro Kinoshita
Published: May 18, 2020https://doi.org/10.1371/journal.pone.0233371
背景
グループベースの軌跡モデリングは、学生の学業の軌跡とその決定要因を分類するのに有用なツールである。分析から得られた洞察を用いて、学業成績不良のリスクがある学生を特定し、その学生を監視して支援を提供することができる。これまでのところ、医学生の要因と学業成績の軌跡との関連を調査した研究は少ない。本研究の目的は、グループベースの軌跡モデルを用いて、医学生の要因と学業成績の軌跡との関連を検討することである。
研究方法
参加者は、2013年と2014年に日本の東京医科歯科大学に入学した医学生全員(n = 202)を対象とした。学業成績は、臨床前の年2回の成績平均(GPA)で評価した。学生をGPAの軌跡に分類するために、グループベースの軌跡モデリングを用いた。多項ロジスティック回帰を用いて、特定のGPAトラジェクトリーグループに属する確率と、高校の種類、高校の地理的地域、入学試験の種類、高校卒業年度、生物学を専攻しているかどうか、性別などの人口統計学的要因との関連を調べた。
結果
GPA の軌跡を、4 つの軌跡グループと、退学者や再履修者からなるグループに分類した。その結果、首都圏以外の地域の高校に通う生徒は、首都圏の学校に通う生徒に比べて7.2倍も中途退学や再進学をする可能性が高いことがわかった(OR:7.21、95%CI:1.87、27.76)。さらに、二次試験で大学に入学した学生は、GPAが高いグループに属する可能性が高い。高校卒業年度、男性は退学または再入学した学生のグループに所属することと有意に関連していることがわかった。
結論
高校の地理的地域、入学試験の種類、高校卒業年度、性別はGPAの軌跡と関連していた。これらの知見は、学業成績不良のリスクがある生徒を特定し、適切かつタイムリーな支援を提供するために生徒をモニタリングするための戦略についての重要な洞察を提供している。