医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

医学部での総合診療の推進

Promoting general practice in medical schools. Where are we now?
Hugh AlbertiORCID Icon, Emily CottrellORCID Icon, Jayne Cullen, Joe RosenthalORCID Icon, Lindsey Pope & Trevor Thompson
Received 08 Dec 2019, Accepted 15 Mar 2020, Published online: 26 Mar 2020
Download citation https://doi.org/10.1080/14739879.2020.1744192

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/14739879.2020.1744192?af=R

 

私たちは、まず第一に、英国の医学部のGPに、総合診療の知名度を高める上でどのように支援したか、またどのように支援したかについて意見を求め、第二に、全国調査での医学部の取り組みについて説明することで、調査の影響を評価しようとしました。

GP 教育責任者からは、医学生のキャリアとしての総合診療を促進する上で、調査が大きな影響力を持っているとの認識が報告されている。ここでは、提言を受けて開発された複数の具体的な取り組みについて説明する。全国調査では、報告書の具体的な勧告への対応には医学部によって大きなばらつきがあるものの、確実に進展していることが確認された。特に検討が必要な分野がいくつか強調されており、今後の調査を適切な時期に実施し、更なる進捗状況を確認することをお勧めする。

 

回答者は、個々の医学部で行われているイノベーションや開発の具体的な例を数多く挙げている。 4 つの分野にグループ化されている。

・GP研修医のような熱心なロールモデルに触れること、キャリアとしてのGPの弱体化に取り組むこと、学術的な総合診療の知名度を高めることなど、総合診療に対する学生の前向きな態度、行動、認識を育成すること。

・魅力的で有益なキャリアアドバイスとガイダンスの提供

アウトリーチ、職場体験、参加の拡大、採用と選考、教育とカリキュラムの変更を含む総合診療へのアクセスと露出の強化

・学生主導の活動を支援し、エンパワーメントする。

 

医学部入学前の総合診療の認知度向上も重要。選考の面接官の平均は約10%であるが、0~25%と幅がある。GP の割合が低い学校では、通常の勤務時間に参加している病院の医師に比べて、GP の報酬が少ないことが原因ではないかとコメントしている。

GPの弱体化、GPのビジネス要素、隠れたカリキュラムについての正式なセッションを教えている学校は少数派にすぎない。これらのトピックを新しいカリキュラムに盛り込む計画を述べているコメントがいくつかある。

Wass報告書の「インフォーマル・カリキュラム」のセクションには、GPの配置と数、GP研修生がポジティブで熱心なロールモデルとして教えることへの関与、総合診療科の部門に関する提言が含まれていた。

f:id:medical-educator:20200328065107p:plain

 

・ キャリアに関するアドバイス。キャリアイベントへのGPの参加

英国の医学部のキャリアイベントには、総合診療科がかなりの割合で参加しているようである。回答者は「キャリアイベント」とは何かという問題を提起し、キャリアガイダンスは他の形で行われることが多いことを強調した。