医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

腹腔鏡スキルトレーニングのためのシリアスゲームの構成要素の妥当性.

Construct Validity of a Serious Game for Laparoscopic Skills Training: Validation Study
Wouter IJgosse, MD ; Harry van Goor, MD, PhD ; Camiel Rosman, MD, PhD ; Jan-Maarten Luursema, PhD

games.jmir.org

 

背景

外科研修医は、従来の腹腔鏡シミュレーショントレーニングの機会を十分に活用していない。シリアスゲームをすることで、研修医の腹腔鏡スキルの練習へのモチベーションを高めることができるかもしれない。しかし、腹腔鏡技術トレーニングにおけるシリアスゲームの有効性については、ほとんど知られていない。


本研究の目的

腹腔鏡シリアスゲーム「Underground」の構成的妥当性を確立することであった。


方法

研究参加者全員がUndergroundの2レベルを完了した。2つの新規変数(タイムとエラー)のパフォーマンスを、共分散分析を用いて、初心者(n=65、腹腔鏡下手術経験10回未満)、中級者(n=26、腹腔鏡下手術経験10~100回)、エキスパート(n=20、腹腔鏡下手術経験100回以上)の間で比較した。性別とビデオゲームの経験を補正した。

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結果

性別とビデオゲームの経験をコントロールすると、腹腔鏡手術の経験が時間変数に及ぼす影響は有意に異なった(F2,106=4.77、P=.01)。エキスパートと中級者はタスク完了速度の点で初心者よりも優れていたが、エキスパートは中級者よりも優れていなかった。ゲームプレイミスの発生率についても同様の傾向が見られた。性別(男性に有利 P<.001)とゲーム経験の有無(経験者に有利なP=.03)の両方が時間変数を変調させた。

 

結論

腹腔鏡のシリアスゲーム「Underground」の構成要素の妥当性が確認された。シリアスゲームは腹腔鏡のスキル開発に役立つ可能性がある。また、ゲーム経験や性別もアンダーグラウンドのパフォーマンスに影響を与えた。ゲーム内のパフォーマンス指標は統計的評価には適していなかった。トレーニングのためのシリアスゲームの可能性を最大限に引き出すためには、パフォーマンス指標の開発にもっと正式なアプローチが必要です。