医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

手続き型スキル学習の目標設定:速度?質?

Speed and quality goals in procedural skills learning: A randomized experiment
David A. CookORCID Icon, Becca L. GasORCID Icon, V. Shane PankratzORCID Icon, David R. Farley & Martin V. PusicORCID Icon
Published online: 09 Oct 2019
Download citation https://doi.org/10.1080/0142159X.2019.1670342

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/0142159X.2019.1670342?af=R

 

目的

時間(速度)と質を目標にした外科手術手順タスクを比較します。

方法

医療シミュレーションに基づくトレーニング活動に参加している中学生が、無作為化された実験に参加しました。各参加者は、血管結紮を8回繰り返しました。 4回から5回の繰り返しの間に、各参加者はランダムに割り当てられた速度または質の目標を受け取りました。結果には、時間と漏れがないかどうかが含まれます。

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結果

80名の学生が参加しました。速度目標グループは、最終目標で品質目標グループよりも18%高速であり、調整された(FC:fold change)0.82(95%信頼区間[CI]、0.71、0.94、p = 0.01)でした。逆に、速度目標グループでは、質目標グループと比べて(漏れのない)結紮が少なかった(オッズ比[OR] 0.36 [95%CI、0.22、0.58; p <0.001])。質目標グループの場合、漏れのある結紮は、漏れのない結紮よりも介入後の時間がかかりました(FC 1.09 [95%CI、1.02、1.17; p = 0.01])。しかし、漏れのある結紮と漏れのない結紮の平均時間は速度目標グループ(FC 0.97 [95%CI、0.91、1.04; p = 0.38])。所定のパフォーマンス時間について、速度目標グループは介入後に質目標グループよりも多くのリークがありました(OR 3.35 [95%CI、1.58、7.10; p = 0.002])。

結論

スピードと品質の目標は、初心者の間で異なる学習プロセスと成果を促進します。速度と品質の両方の目標を使用すると、より効果的かつ効率的な学習が促進されます。