医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

ロールプレイとピアレビューを活用した回診が学生に臨床成績と専門性への効果

The positive effect of student-oriented clinical clerkship rounds employing role-play and peer review on the clinical performance and professionalism of clerkship students
Hajime KasaiORCID Icon, Shoichi Ito, Hiroshi Tajima, Yukiko Takahashi, Yoriko Sakurai, Naoko Kawata, show all
Published online: 31 Aug 2019
Download citation https://doi.org/10.1080/0142159X.2019.1656330

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/0142159X.2019.1656330?af=R

 

背景

ロールプレイ(RP:Role-play)とピアレビュー(PR:peer review)は、臨床実習(CC:clinical clerkship)のコミュニケーションスキルのトレーニングと評価に時々使用されます。したがって、学生向けのCCラウンド中にRPとPRを組み合わせた効果を評価しました。

*ロールプレイは積極的な学習に役立ち、知識、態度、スキルを習得するためのトレーニング方法としてよく使用されます。
ピアレビューは学習者自身の認識を促進し、スキルの自己評価を改善します

方法

臨床実習の学生は、患者との医学的面接と身体診察を実施しました。これは、上級医師または患者の家族としてロールプレイしながらパフォーマンスを観察した5人の同級生によってレビューされました。その後、同級生は学生にフィードバックを提供しました。学生のパフォーマンスは、2人の主治医による回診の前後に、Mini-CEXおよびP-MEX:professionalism mini-evaluation exercise に基づいて評価されました。 CCの後、学生はラウンドに関するアンケートに回答しました。

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結果

75人の学生がラウンドを完了し、各ラウンドの所要時間は41.7±7.1分でした。 Mini-CEXおよびP-MEXでのコミュニケーションスキルとプロフェッショナリズム能力は、回診後に大幅な改善を示しました。医療面接と身体検査の改善も認められました。さらに、学生は、回診の経験を通じて、患者ケアにおける複数の視点の重要性を認識しました。

結論:RPとPRをCCラウンドと組み合わせると、学生の臨床成績と専門性が向上し、患者ケアにおける複数の視点の重要性に対する認識が高まります。