医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

医学部を新しく作る12の方法

Twelve tips for establishing a new medical school,

R. B. Hays, R. P. Strasser & T. K. Sen Gupta (2019)

Medical Teacher,DOI: 10.1080/0142159X.2019.1571570

 

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/0142159X.2019.1571570?af=R

 

成功するには、大胆なビジョン、多くの利害関係者団体からの支援、適切な財源と人的資源、教育の専門知識、自信、忍耐力、そして粘り強さの組み合わせが必要です。

 

1、ビジョン・ミッション・マーケットポジションを慎重に選ぶ

  なぜ設立するのか明らかにする。

 

2、地域社会、専門集団・地域住民を巻き込む

 医学部は孤立した組織でなく、多くのステークスホルダーが関わっている。彼らと相談して、運営していく必要がある


3、事業計画策定・資金確保

 ある程度の初期投資は必要。公的・私的資金の獲得、最初から臨床医を専任の教師としなくてもいいかも。


4、認定機関(WFME、ECFGMなど)への早期参加

 認証することで、学生・教官に安心感を与える。認定機関の基準を満たすことでフィードバックを生み出すことができる


5、ビジョン・ミッションに適した教育デザインの選択

 近年、手法は増えてきたが、ビジョンに沿って入学する学生に適したものを


6、評価哲学と実践の開発

 評価は学習を促進する。また明確にすることで、一貫性と透明性を確保


7、ビジョン・ミッションに応えやすい学生を選択する
 学業成績ではない、僻地医療の育成であれば、そのような出身者の方がいいのは知られている。


8、教育的専門知識をもつ教育者を募集する

 プログラム設立にも必要だが、指導医の育成にも役立つ。


9、必要とする臨床現場の設置

 実際に臨床する場所、または学生教育に関わる人材(患者、他職種も含む)


10、プログラムを理解してくれ、サポートする臨床医の募集


11、プログラムの評価を組み込む

 新しい大学のプログラムの評価を。モニタリングとステークスホルダーへの評価提示のために。


12、医学教育に関する記述の寄与

 教育者に革新的な機会を与える。