医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

アニメーションを使用し、医学生に医療安全を教えた事例研究

Animated stories of medical error as a means of teaching undergraduates patient safety: an evaluation study

 

Cooper, K., Hatfield, E. & Yeomans, J. Perspect Med Educ (2019). https://doi.org/10.1007/s40037-019-0498-1

 

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背景

ストーリーテリングは、注意力を高め、行動の変化を持続させることができる強力なコミュニケーション形態です。患者の安全教育を学部の医学カリキュラムに取り入れる必要性に対処して、医学生は医学ミスの臨床医の話を聞くことから利益を得ることができると仮定されました。アニメーションを使用することは、カメラでは捉えられないような被写体やシーンの視覚化を可能にする点で、エラーのストーリーを大勢の聴衆に提示するための潜在的に魅力的な手段と考えられていました。

方法

重大な事件やニアミスイベントの経験を記した、3人の短編医の音声録音に合わせて3つのアニメーションビデオが開発されました。これらのビデオは、最終年度の医学生200名に配信され、その後の寄与要因の理解に向けた大規模なグループディスカッションが行われました。学習者の反応や信念や知覚の変化を探る評価アンケートが配布されました。質問票には、修正されたリッカート尺度とフリーテキストボックスで評価された質問が含まれていました。記述分析およびフリーテキスト回答の質的内容分析を用いて混合法分析を行った。

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結果

参加した200人の学生のうち、104人がアンケートに回答し、83人がフリーテキストフィードバックを完了しました。ほとんどの学生は医学的過誤の話を聞くことに前向きに反応し、音声ビデオが事例を現実のものと理解している中で、アニメーションビデオが関わりを改善したと感じました。大多数の学生は、セッションが将来の訓練に影響を与えることに同意しました。

結論

この予備調査では、学部生は、医療の過誤についてのアニメーションの個人的なストーリーを、患者の安全性について学ぶための効果的で魅力的な手段であると考えることを確認しました。測定可能な行動変化が達成されたかどうかを確認するために縦断的研究が必要です