医学教育つれづれ

医学教育に関する論文のPOINTを書き出した備忘録的なブログです。

複雑な状況に置かれた時の感情的反応のイメージを描いてみる

‘Oh my God, I can't handle this!’: trainees’ emotional responses to complex situations

Esther Helmich Laura Diachun Radha Joseph Kori LaDonna Nelleke Noeverman‐Poel Lorelei Lingard Sayra Cristancho

First published: 16 October 2017 https://doi.org/10.1111/medu.13472

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/medu.13472

 

背景

感情を扱うことは、医学生・研修医の専門的な教育にとって非常に重要です。感情を理解するために社会文化的アプローチ、ナラティブなアプローチによって、感情が誘発されやすく、社会環境の影響を受ける複雑な臨床的状況を題材に研究した。私たちは、そのような状況で起こる感情にどのように対応するのかを理解しようと試みた。

方法

構成主義的グラウンデッド・セオリー法で解釈を行い、29人の研修生が複雑な臨床状況に対して、2種類の絵を描きました.1つは興奮するようなポジティブなもの、もうひとつはイライラするようなネガティブなものです。絵は、臨床的な複雑さを生んでいる人物、状況、および要因についての参加者の認識を捕らえる視覚的表現です。これらの絵は、半構造化された個々のインタビューを導くために使用されました。私たちは、視覚資料とインタビューを、図面を見て、ギャラリーウォークを行い、インタビューを使って審美的分析に伝えることから始めて、統合された方法で分析しました。

結果

参加者の絵は、複雑さに対応して個人的な感情の範囲を描き、プロフェッショナルではないと思われる不安な感情や行動を明らかにしました。研修生が自信を感じると、彼らは積極的に参加し、創造的な問題解決戦略に従事し、彼らの個人的関与を強調しました。研修生は状況がコントロールできないと感じたとき、状況からどのように逃げ出しているのか、他のものの後ろに身を隠しているのか、患者や家族から離れているのかを説明しました。

結論

制御の感覚は、複雑さに対する研修生の感情的および行動的応答に影響を与える重要な要因であると思われる。複雑な状況はその性質上、緊急かつ動的であり、制御の可能性を制限する点が問題である。感情へのアプローチに続いて、制御不能の感覚が複雑な臨床状況に関わる固有の性質であることを理解する助けとすべきであり、それは専門知識を持って「成長していく」ものではない。